犬の多発性骨髄腫の治療について
2019.06.25更新
多発性骨髄腫は、骨髄内でリンパ球の中の形質細胞が腫瘍化し、増殖した疾患で重度になると、骨融解が起こり、ベンスジョーンズ蛋白尿です。
重度になると、骨融解が起こり、ベンスジョーンズ蛋白尿を排出し、貧血や好中球減少症、血小板減少症、高カルシウム血症などが認められ、正常な免疫グロブリン濃度が抑制されている場合は、膀胱炎など二次的に感染症を引き起こしているケースが見られます。また、骨融解により椎骨が押しつぶされ、不全麻痺や急性の麻痺が認められたり、虚弱、はこう、麻痺、疼痛が見られこともあります。
<治療>
標準治療としては、メルファラン、プレドニゾンを使用し、6週間後でも反応率が50%以下である場合は、メルファランをクロラムブシルに変更する必要があります。しかし、標準治療に反応しない症例があるのも事実で、骨融解による骨折や疼痛を緩和しなければ、Q.O.Lが下がり、元気食欲も起こりません。
そこで当院では、治療に反応しなかった症例に対し、
1.骨融解を阻止するため、ゾレドロン酸の点滴静注
2.腫瘍化した形質細胞を破壊するため、サリドマイドの内服とデキサメサゾンの注射
で、緩解を目標に治療をしています。
なお、この治療に対してご希望があれば、院長 東條雅彦までご連絡ください。不在の際は、こちらからご連絡させていただきます。
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