新しい診療治療法

2017.02.21更新

放射線治療は、照射した部位に留まらず、転移巣など離れた病巣に対しても効果を発揮し、がんが縮小や消滅することが以前から知られていました。

これを「アブスコパル効果」というのですが、放射線の専門医でもほとんど遭遇したことがないほど発生頻度が低いのが現状でありました。

その後、腫瘍免疫学の研究が進み、放射線をがんに照射するとがん細胞が死に、死んだがん細胞から免疫の刺激作用があるタンパクやがん抗原などが放出されることがわかりました。

その物質をマクロファージや樹状細胞が吸収し、腫瘍を特異的に攻撃する細胞障害性Tリンパ球が遠隔転移のがん細胞も攻撃します。これが「アブスコパル効果」のメカニズムと考えられています。

放射線治療と免疫療法で「アブスコパル効果」が起こるのは、2つの理由が考えられます。

①弱かった免疫を補完して免疫を高める。

②免疫を抑制しているブレーキを外して、免疫が働くようにする。

当院では、①に対しては、α‐ガラクシドセラミド感作樹状細胞とγδT腫瘍攻撃型リンパ球静脈点滴治療に加えて、犬インターフェロンと丸山ワクチンの混合皮下注射治療法

②に対しては、人間のオプジーボの代わりに、トセラニブ(palladia)と呼ばれる分子標的薬やピロキシカムという、抗腫瘍性抗炎症剤と免疫調節作用のあるシメチジンやDHA&EPAなどの抗腫瘍性ω3脂肪酸を処方しています。

【適応腫瘍症例】

1、外科切除不可の肺がん

2、外科切除不可の肝細胞がん

3、外科切除不可の副腎がん

4、外科切除不可の脳腫瘍

5、外科切除不可の腎がん

6、治療に反応しない膀胱がんや前立腺がん

7、全身転移を起こした悪性腫瘍

などを想定しています。

 

放射線治療が最後の砦と言われる時代は終わりました。大学病院やセンター病院で放射線治療を受ける予定の飼い主さんは、是非その前に採血し、自身の樹状細胞やリンパ球を培養しておくことをおすすめします。

放射線治療後は、必ず一時的に白血球数が減り、免疫がダウンします。

なお、この治療に関しては、院長が承っております。

詳しくはお電話にてお尋ねください。院長不在の時はこちらからご連絡させて頂きます。

投稿者: 長居動物病院

長居動物病院 電話番号06-6693-4801

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